更年期障害と女性ホルモン剤
女性は40歳を過ぎる頃から卵巣機能の衰えにより、女性ホルモンである卵胞ホルモンの分泌量が減ってきます。この卵胞ホルモンの分泌量が減ると、ホルモンのバランスが乱れ、「ほてり」「のぼせ」「冷え」「動悸」「異常な発汗」などの更年期特有の症状が現れることがあります。(ただし、更年期の症状の出かたは人それぞれです。)
ホルモン補充療法
更年期の症状を軽減するために、分泌量の減った卵胞ホルモンを補うホルモン補充療法というのがあります。しかし、この方法では子宮がんの発症の確率を上げてしまうという弱点があります。最近では卵胞ホルモンと黄体ホルモンを併用することにより子宮がん発症の確率を低くすることができます。
専門外来では、ホルモン補充療法をする場合、定期的にがん検診を行なっているので、がん発症を早期に発見できる利点があります。
ただし、すでに子宮を摘出している方は卵胞ホルモンだけを補充します。
乳がんになる確率は上がらないのでしょうか?
女性ホルモンを長期服用している人は、乳がんになる確率は少し上がります。
しかし、のんでいない人で1万人に8人。長期にわたってのんでいる人で、1万人に11人。
つまり、差は3人。わずかに0.03%確率が高くなることになり、あまり大きな差はないようです。
更年期症状が気になる方は医師に相談のうえ 、怖がらずにホルモン補充療法をうけるのも更年期症状を和らげるひとつの手段です。
卵胞ホルモン・・・基本的な女性ホルモンで、女性らしさを作るホルモン
黄体ホルモン・・・子宮内膜に作用するホルモン
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