帯状疱疹(たいじょうほうしん) 〜早めの受診・しっかり服薬・ゆっくり休養〜
〈どんな病気?〉
帯状疱疹は、水ぼうそうを起こす原因と同じウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」によって
起こる病気です。
水ぼうそうは、多くの人が子供の頃に掛かり、発症後1週間程度で症状が治りますが、実は、体の神経節にウイルスが隠れているだけで何十年も潜伏し続けます。そして、免疫力が低下した時に復活
します。
復活したウイルスは、神経節から出て活動を再開し帯状の水ぶくれを作ります。この症状により
「帯状疱疹」と言われます。
*以前は、50才以上の高齢者に多い病気でしたが、最近では20〜30才代の若い世代にも増加
してきています。
〈症状〉
症状は、皮膚の「ピリピリ」とした痛みから始まり、その個所に水ぶくれが出来ます。体の片側だけに症状が出るのが特徴で、顔や目の近く、また、耳に症状が出た時は、特に注意が必要です。
多くの場合が強い痛みを伴い、痛み始めてから水ぶくれのかさぶたが治まるまで、約3週間から1ヶ月程度の期間が必要です。
〈治療〉
治療には、抗ウイルス剤ファムシクロビル(ファムビル)、バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス)等の薬を使います。重症の場合は、入院して点滴治療することもあります。
薬は、ウイルスを殺すのではなく、増えるのを防ぐために使用するもので、皮膚に症状が出てから72時間以内に飲み始めることが重要です。
〈他の人にうつる可能性〉
帯状疱疹は、あまり他の人にうつることはあまりありませんが、水ぼうそうに掛かったことがない人には、
うつる危険性があり、発症した場合の症状は、帯状疱疹の症状ではなく水ぼうそうと同じ症状になります。
帯状疱疹が完治するまでは、赤ちゃんや子供又妊婦には、できるだけ接触しないように心掛けた方が良いでしょう。
〈痛みが消えない場合は「帯状疱疹後、神経痛の疑いが・・」〉
皮膚症状が回復しても痛みだけが残り、いつまでも続く場合があります。この症状は、帯状疱疹後に神経痛に移行した場合で、高齢者に多いと言われています。
治療には、リリカ、トラムセットの他、三環系坑うつ薬などが使われたり、局所に麻酔注射する神経ブロックを行う場合もあります。
〈予防〉
完全に予防する方法はないので、疲労・ストレスを溜めないように栄養と睡眠を十分にとり、適度な運動を行うなど、心身の健康に注意する事が大切です。
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