【1】 |
熱痙攣: |
筋の有痛性痙攣、高温環境下の作業で電解質(特にナトリウム)が喪失して筋の痙攣が起こるもので、通常意識は良好である。脚や腹部の筋肉に発生しやすく、消化管平滑筋の痙攣で腹痛をきたすこともある。 |
対処・・・ |
予後は良好なので、涼しいところで安静にし、水分と電解質を十分補給する(食塩水やスポーツドリンクなどを飲ませる)。 |
【2】 |
熱疲労: |
脱水によって体温上昇と脱力をきたしているが、意識障害は認められず、体温は熱射病ほど高くないもの。体温調節能力が保たれており、発汗がみられる。めまい、頭痛、吐き気、倦怠感を伴うことも多い。 |
対処・・・ |
涼しく風通しのよいところで安静にし、水分と電解質を補給する。冷たい濡れタオルで体を拭き、送風するとよい。 |
【3】 |
熱射病: |
意識障害、体温40.5℃以上、乾燥した皮膚が特徴。原因にかかわらず、体温が41℃を超えると細胞破壊が起こり、中枢神経障害、肝・腎不全,横紋筋融解などをきたし、自律的な体温調節能力は失われる。この状態が熱射病であり、まず冷却することが肝要です。意識障害、錯乱、昏睡、全身痙攣などを伴うこともある。 |
対処・・・ |
意識がない。もしくは、反応が鈍いとき。→涼しいところへ運び、氷嚢やアイスパックで首、脇、足の付け根を冷やす。救急車を呼ぶ。以上を同時に行う。 |