小児アトピー性皮膚炎と保湿
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴った慢性の皮膚炎症疾患です。かゆみは、皮膚の炎症、皮膚バリア障害、環境の変化や外的刺激(アレルゲン・悪玉菌である黄色ブドウ球菌等)により起こります。そこで…
≪皮膚バリアにクローズアップ!!≫
皮膚バリアは、肌の水分蒸発を防ぎ外部からのアレルゲンや細菌等の侵入を防ぐ役目があります。この皮膚バリアが弱くなることで、かゆみや炎症が起こりやすくなるのです。
≪保湿の重要性について、再確認!≫
小児の皮膚は、皮膚バリア機能が未発達のため、皮膚が乾燥しやすく、アトピー性皮膚炎等の皮膚病変が生じやすい状態にあります。小児がアトピー性皮膚炎を発症した際の治療法は、乾燥に対する保湿剤を用いたスキンケアが中心になります。
@どんな保湿剤を使えばいいの?
保湿剤の選択には、各種保湿剤の特徴や患児・保護者の好み、ライフスタイル等が考慮されます。例えば、時間がない時や夏場等はローションが手軽です。時間に余裕があり、しっかり薬を塗ることができる時は、クリームや軟膏を使用するとよいでしょう。
Aどのくらいの量を塗ればいいの? また、塗り方は?
塗布量については、『ピカーッと光る程度』、または、『ティッシュペーパーがくっついて上がってくる程度』が、適量と言われています。しかし、最近では、Finger-tip unit(FTU)で考えることが多いようです。
これは、大人の人差し指の先端から第一関節までの長さの薬の量を1FTUとし、この量で成人の手のひら2枚分の面積に塗布することができる量に相当します。
保湿剤を塗るタイミングについては、入浴後5〜15分以内がベストで、それ以上経つと皮膚の水分はほとんど失われてしまいます。角層に水分がまだ残っているうちに水分を閉じ込めるようにすることが重要です。
≪お父さん・お母さんへ≫
患部へ保湿剤を塗ることでアトピー性皮膚炎の症状が軽減することは確かです。子供のために、『継続して、しっかり塗る』ということを心掛けてください。
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