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2013年05月20日
iPS細胞とは・・・


iPS細胞(英:induced pluripotent stem cells)とは、人工多能性幹細胞(じんこう たのうせい かんさいぼう)のこと。 ES細胞(胚性幹細胞)なども含めて分化万能細胞とも言われています。
人間が成長するにつれて細胞も成長し、特定の役割が決まってきますが、分化万能細胞は、その役割が決まっていないため、どんな臓器にもなれる可能性を持っていると言われています。

人の体細胞に、数種類の遺伝子を人工的に組み込むことで、非常に多くの細胞に変化できる分化万能性と分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせることができた細胞が、iPS細胞です。

※参考
ES細胞との違い
ES細胞は、着床寸前の受精卵から胎児の体のすべての元になる細胞を取り出し、分化万能性を持たせたまま培養して増やした細胞です。
ES細胞を得るためには、受精卵を破壊しなければならない倫理的問題があったが、iPS細胞ではこの問題が解決されています。

(臨床応用へ向けての展望)

iPS細胞の開発により、受精卵やES細胞を全く使用しないで分化万能細胞を培養することが可能となりました。
分化万能細胞は理論上、体を構成するすべての組織や臓器に分化することが可能であり、患者本人の細胞からiPS細胞を作り出す技術が確立されれば、拒絶反応の無い移植用組織や臓器の作製が可能になると期待されています。
また、再生医療への応用のみならず、そのiPS細胞を特定の細胞へ分化誘導することで、従来は採取が困難であった組織の細胞を作り出すことができるため、今まで治療法がなかった難病に対して作り出したその細胞を利用し、病気の原因や発症のメカニズムの研究が行え、また開発した薬剤の効果・毒性をも評価することが可能となることから、今までにない全く新しい医学分野を開拓できる可能性を秘めています。


(臨床応用へ向けての問題点)

@ 癌化問題
iPS細胞は、無限の増殖性を持たせた人工細胞であり、遺伝子導入(組込)の際に使用しているレトロウイルス(retrovirus:特定の遺伝子を宿主の細胞の遺伝子の中に持ち込む働きがあり、HIVもこの一種である。)などが、染色体内に発癌遺伝子なども導入してしまうため、染色体内の遺伝子に変異が起こり、内在する発癌遺伝子を活性化させてしまう可能性があるなど、実際に人体に移植・応用するには大きな課題が残っています。


A 倫理的問題
iPS細胞の技術を不妊治療へ応用する道が開かれた半面、「同性愛者間での妊娠・出産の是非」や「同一人物の精子と卵子を受精させ、出産させることが可能であるという倫理的問題」が浮上しています。
「同一人物の精子と卵子を受精させ、出産させること」に関しては、クローン人間問題と同様に「iPS細胞の由来で生まれた人間の権利が認められない」などの問題が生じる可能性が考えられ、日本やアメリカなどの主要国が「iPS細胞由来生殖細胞」による受精を禁止しても、これを禁止していない他国ならば、ことが容易に可能であるということもあり、問題に拍車をかけています。


B 分化誘導問題
ES細胞からさまざまな種類の細胞を作り出すことには成功していますが、定期的に脈打つ心筋細胞や軸索(信号の出力を担う部分)を持った神経細胞、インスリンを分泌する膵β細胞など大部分は、まだ細胞レベルの基礎研究であり、実際に移植した際の機能や組織補完能力についても、よく分かっていません。
iPS細胞も同様で、高度な機能と構造を持った組織や臓器レベル(心臓、脳、膵臓など)の再生は、実用化に向けてまだまだ多くの時間が必要です。


C 拒絶反応問題
iPS細胞に対しての免疫拒絶反応について様々な研究結果や発表がされていますが、現時点では解決された訳でありません。


(補足)
幹細胞(組織や臓器に成長する元となる細胞)と同等の能力を持つiPS細胞を作り出す技術と、幹細胞を臓器など他の細胞に変化させる技術は全く異なるものであり、幹細胞を人体の別の細胞に変化させる研究はiPS細胞の研究よりも遥か以前から行われ、成果も出ていました。

iPS細胞の研究開発の功績は、他の細胞を作り出すための「素」をこれまでよりも容易かつ大量に得ることを可能にした点にあります。


作成 : (株)第一薬局 (黒田)



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