肺炎球菌ワクチンって何?
テレビのCMで見かけた方もあると思いますが、《肺炎球菌ワクチン》を御存じでしょうか?65歳以上の方に接種を呼びかけているワクチンで、厚生労働省が『国民の健康寿命が延伸する社会』の取り組みの中で掲げたものです。
肺炎球菌による感染症にかかることが多いのは、5歳未満(特に2歳未満)の乳幼児や
65歳以上の方です。乳幼児は免疫機能が未発達のため、また65歳以上の方は身体が元気でも加齢とともに免疫力が低下し始めているため感染症にかかりやすいのです。
現在、肺炎は日本人の死因の中で、がん、心臓疾患に次いで多い疾患となっており、年間で約12万人が亡くなっています。また、その内95%以上が65歳以上の方です。
65歳以上の方は、肺炎にならないためにもワクチン接種などの予防対策が重要とされ、定期接種(「予防接種法」に基づき自治体が実施する予防接種)が平成26年度より開始されています。
肺炎と風邪の違いは何でしょうか?
肺炎は、咳や発熱、痰など風邪の症状とよく似ているので「風邪をこじらせたもの」と考えられますが、風邪と肺炎は違います。
風邪は、のどの上気道の炎症で、鼻水、くしゃみ、咳やのどの痛みなどの症状に、発熱も38度くらいまでで、数日〜1週間ほどで改善します。
肺炎は、細菌やウイルスなどの病原体が、肺にある肺胞という酸素と二酸化炭素のガス交換を行う場所に感染して炎症を起こしたもので、症状としては息切れ、黄色から緑色や鉄さび色の痰、38度以上の発熱があり、一般的な風邪の症状より重く長期間続きます。
もし、息が浅く呼吸が速い、ぐったりする、食欲がないなどの症状が3〜4日以上続くようなら肺炎を疑い、医療機関を受診しましょう。
肺炎球菌ワクチンの定期接種対象年齢
平成26(2014)年10月より肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。対象は、65歳以上の方で、平成30(2018)年までは、該当する年度(4月2日〜翌年4月1日まで)に、65・70・75・80・85・90・95・100歳の誕生日を迎える方が対象となり、平成31年度からは、その年度に65歳の誕生日を迎える方のみが対象となります。
肺炎を防ぐには、日常のうがい、手洗い、マスクの着用も重要ですが、ワクチンという予防法もあります。このワクチンは定期接種以外にも任意接種が可能ですので、毎日を健康に過ごすためにもかかりつけ医と相談されることをお勧めします。
参考資料: 65歳以上の肺炎予防。おとなの肺炎球菌感染症.Jp‐ファイザー
肺炎球菌感染症(高齢者)|厚生労働省
|