吃逆はその持続時間によって、48時間以内の『吃逆発作』、48時間以上1ヶ月以内の『持続性吃逆』、1ヶ月以上の『難治性吃逆』の3種類に分類されます。
吃逆発作は日常生活の中で誰にでも起こりうるものですが、持続性・難治性の吃逆には多くの原因疾患があり、心因性・器質性・特発性の3種類に分類されます。
【吃逆の分類と原因】
『吃逆発作』(48時間以内で治まる)
・胃の拡張
・胃腸や周囲の温度の急激な変化
・急に生じた興奮やストレス、禁煙など
『持続性』(48時間以上1ヶ月以内持続)・『難治性吃逆』(1ヶ月以上持続)
・心因性
(ストレス・興奮・人格障害・ヒステリー性神経症)
・器質性
(脳腫瘍・脳出血・頭部外傷・心膜炎・肺炎・甲状腺腫・狭心症・胃潰瘍・胃癌・薬・アルコール中毒・糖尿病・インフルエンザ・結核など)
・特発性(原因不明)
持続性・難治性吃逆は男女比5:1以上で男性に圧倒的に多く、持続性吃逆で男性の90%は器質的疾患が原因であり、女性の90%が心因性であるとの報告もあります。
【吃逆の治療】
〈非薬物療法〉
(発作時に経験的に行われているもの)
舌を引っ張る・水でうがい・氷水の飲用・息こらえ・驚かせる・口蓋垂や咽頭の刺激・グラニュー糖の嚥下・二酸化炭素混合気再吸入・眼球圧迫・頚動脈洞圧迫 等
〈薬物療法〉
(非薬物療法が無効であった場合や、持続性・難治性吃逆の場合に経験的に使用)
・精神神経科用剤(クロルプロマジン・ハロペリドール)
・抗てんかん薬(クロナゼパム・バルプロ酸ナトリウム)
・抗けいれん薬(バクロフェン)
・柿蔕(シテイ)湯・・・乾燥させた柿のへたを煎じた物
・呉茱萸(ゴシュユ)湯
・メトクロプラミド
吃逆は誰にでも起こる症状で、多くは一時的なものであり治療の必要はありません。
しかし、長時間持続したり頻回に出現する場合は日常生活に支障をきたす為、治療が必要になることもあります。