ADHDとは日本語で、注意欠如多動性障害といいます。
自分をコントロールすることが不得手で、気が散りやすく集中力が長続きしないため、周りの人々から誤解を受けやすい行動をとってしまいます。
このような行動の特性は生まれつきのもので、一種の個性のようなものです。
小学校に上がる年頃の子供に見つかることが多く、1クラスにだいたい1人はこのような子供がいるのではないかと考えられています。
ADHDの原因は詳しくはわかっていませんが、脳の中の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが不足していることが明らかになってきました。
専門医によりADHDの診断を受けると、投薬・行動療法等の治療に入ります。
治療によって脳の働きを改善させ、症状を軽減させることで、子供の成長・発達を支援していくことができます。
ADHDの症状で一番困っているのは「本人自身」だということ、「わざとやっている訳ではない」ことを忘れないで、サポートしていくことが大切です。
参考文献:図解 よくわかるADHD 榊原洋一
ADHD診断基準DSM-5
DSM-5における注意欠如・多動性障害(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)の診断基準
A1:以下の不注意症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
a.細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
b.注意を持続することが困難。
c.上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。
d.指示に従えず、宿題などの課題が果たせない。
e.課題や活動を整理することができない。
f.精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。
g.課題や活動に必要なものを忘れがちである。
h.外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
i.日々の活動を忘れがちである。
A2:以下の多動性/衝動性の症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
a.着席中に、手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする。
b.着席が期待されている場面で離席する。
c.不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
d.静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
e.衝動に駆られて突き動かされるような感じがして、じっとしていることができない。
f.しゃべりすぎる。
g.質問が終わる前にうっかり答え始める。
h.順番待ちが苦手である。
i.他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。
B:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは12歳までに存在していた。
C:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは2つ以上の環境(家庭・学校・職場・社交場面など)で
存在している。
D:症状が社会・学業・職業機能を損ねている明らかな証拠がある。
E:統合失調症や他の精神障害の経過で生じたのではなく、それらで説明することもできない
出典:http://www.e-club.jp/adhd/adhd_basic/7999.html
作成:(株)第一薬局 黒田