致死率の高いマダニ感染症がペットから人にうつった例が確認されました。
去年は野良ネコに噛まれた女性が亡くなり、今年6月には発症した飼いイヌの看病をしていた男性が感染し、こちらは男性もイヌも回復しています。
かわいいペットからの感染を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はウイルスを持つマダニに噛まれることで感染します。
患者の年齢は5歳から90歳までですが、その90パーセントが60代以上で、亡くなった方は50代以上の方です。高齢者は重症化しやすい傾向にあるようです。症状は発熱、嘔吐、下痢などがみられます。感染した動物も同様の症状がでます。
これまでにネコ3匹とイヌ1匹で発症が確認され、広島市の動物園ではチーター2頭が死亡しています。
症例報告は少ないようですが、SFTSという病気が認知されてきたことで、この病気の診断につながり、今までは同様の症状で原因不明とされてきたことも考えられます。
イヌ、ネコに限らず野生動物も注意が必要です。
恐ろしい感染症ですが、すべてのマダニがこのウイルスを持っているわけではないので噛まれたら必ず発症するわけではありません。
そして感染していないイヌやネコからはうつりません。
散歩の後にはマダニがペットの体についていないかチェックすること(目の細かい櫛で体毛をとかすなど)。もし、マダニが皮膚に食い込んでいる場合は無理にはがさず、獣医に取ってもらってください。感染していないか、2週間は様子をみてください。
ペット用のマダニ駆除薬を使ってマダニがつかないようにすることも大切です。
今回の男性は体調を崩していたイヌの看病をしていて、噛まれたわけではなく、唾液や血液、糞便から感染したことも考えられます。
症状が出ている動物はもちろん普段から過度な接触(口移しで食べ物を与える、布団で一緒に寝る)などは控え、ペットの体調が悪いときは動物病院を受診するようにしてください。
参考文献(厚労省SFTSによるQ&A)
作成:(株)第一薬局 宮